最近、当治療院へ「ハイボルテージってなに?」と言うお問い合わせを多くの方から頂くので、私なりに簡単にまとめたいと思います。

ハイボルテージとは
単相性のツインピークパルス波形を用いることで、150V以上の高電圧での治療を可能とした療法です。極めて短い時間に連続した出力を行うことで、皮膚抵抗が低く抑えられ、電気刺激を深部組織まで到達させることができます。疼痛の緩解や可動域の改善などにお使いいただけます。※メーカー説明
簡単に説明すると、高電圧を体内に流し、また身体の深部まで刺激が入り、痛みの緩和・除痛に効果的。と言うことです。

それではなぜ?痛みの緩和や・除痛効果が得られるのか?
それは、ゲートコントロール理論で証明されます。

ゲートコントロール理論とは?
1965年生理学者パトッリック・ウォールと心理学者ロナルド・メルザックによって提唱された、疼痛抑制に関する理論です。

例えば、身体のどこかをぶつけてしまった時、無意識にその部位を撫でたり、さすった経験は誰しもあると思います。ゲートコントロール理論ではこうした「痛みの患部や回りを撫でさすると痛みが和らぐ」といった痛みの抑制が、どのようにして起こるのかを説明しています。


そもそも痛みのメカニズムとは?
痛みの強さは、侵害情報を中枢へ伝達する「T細胞」への興奮性入力・抑制性入力のバランスによって決まります。
興奮性入力は細い神経線維であるC線維やAδ侵害受容求心性線維から、抑制性入力は太い神経線維であるAβ非侵害受容知覚求心性線維から、脊髄後根膠様質を介してT細胞に受け取られます。

ゲートコントロール理論のメカニズム
ゲートコントロール理論では、脊髄後根膠様質にある「抑制介在ニューロン」が
T細胞を抑制させられると考えています。

ゲートコントロール理論

 
神経繊維の分類

種類 太さ(μ) 速度(m/s) 役割
8 50 触圧覚
3 15 温痛覚
C 1 1 温痛覚

抑制介在ニューロンを促進するには、抑制性入力を担う太い神経線維Aβを刺激する必要があります。
簡単に説明すると
Aβは触覚を伝える神経であり。
痛覚を伝える(Aδ・C)よりも太く伝達速度も速い。
患部を撫でさするとAβが刺激され抑制介在ニューロンが促進され、痛みを伝えるT細胞を抑制するため
。です。

ハイボルテージや電気療法・電気鍼は、このゲートコントロール理論を利用して除痛や痛みの伝達を抑制させる治療法であり、特にハイボルテージは除痛・痛みの軽減に特化した治療方法といえます。
また、筋収縮を起こさせにくいので急性期(捻挫・寝違え・ぎっくり腰etc.)にも効果が期待できます。
※電気療法(TENS)や電気鍼(EAT)は除痛以外の治療目的でも利用します。

考察
なんだか難しい話になってしまいましたが、なんとなく分かって頂けたでしょうか?
要は、ハイボルテージは痛みの伝達をネガティブにしてくれると言うことです。
その為、急性期の症状に対しては、RICE処置を行った上で、ハイボルテージやMCR(マイクロカレント)が効果的ですが、
筋肉の張り・コリが出現すると
慢性症状に対しては、ちゃんとしたマッサージを行い、筋肉の緊張を緩和し血行をよくした上でハイボルテージ治療を行うことがより効果的と考えます!

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