コアスタビリティとは
コアとは、核の意味 スタビリティとは、安定性の意味で
コアスタビリティとは 体幹の安定性のことを言う
身体活動には、「姿勢制御」と「随意運動」の二つの要素があり、随意運動が円滑に行われるためには、姿勢制御システムが身体の安定性を提供しなければなりません。
その随意運動のための安定性の要の部分で、それらが下部体幹の安定性を指す「コアスタビリティ」であります。
この「コア」は、どんな筋で構成されているのかというと、(横隔膜)(腹横筋)(多裂筋)(骨盤底筋)という4種類の筋で腹腔を構成しています。
この体幹の深層部の4つの筋群が協調的に働くことによって腹圧が高まり、コアスタビリティが供給されます。
この深層筋には、大きな張力を発揮することができる表層筋に対して、関節が適合性を保つように骨の動く方向を調節して、運動の軸を制御するという役割があります。
深層筋がしっかりと運動の方向を調節することにより、それを土台に表層にある大きな筋が力を発揮できるようになります。
高草木薫氏は著書の中でこのように記しております。
「すべての運動において、姿勢の制御が随伴しており先行する姿勢制御がない限り、意図する運動を実行できない」
つまり、四肢の運動を行う以前に姿勢制御システムが働いてくれないと運動は、うまくいかないということ!
そして、その姿勢制御の要の部分が、「コア」と呼ばれる体幹深部の4つの筋で構成されているということ。
例えると
こんにゃくに強力なバネを付けて飛ばしても、バネの力は、こんにゃくに吸収され、バネの力が十分に発揮できませんが、こんにゃくをカチカチに凍らせて同じことをすると、バネの力は吸収されずに、力を発揮できる。
というようなイメージです。
そして、慢性腰痛の方や、ぎっくり腰・腰痛を繰り返しているような方は、コアスタビリティの収縮の遅延が確認され、腰痛の再発に繋がっております。
このコアスタビリティは、単独で鍛えることは難しく、随意運動の数秒前に活動し安定性を提供し浅層筋と強調して動くため、鍛えるというよりは促通させると表現した方がイメージしやすいと思います。
コアスタビリティは姿勢制御の為、良肢位で活動させ良肢位の安定性を高め、コアスタビリティの遅延を元に戻していくことがのぞましく、理想は良肢位でコアスタビリティが活動してくれ、体幹を安定させ身体活動を行うことができる身体に持っていくこと、と言えます。
また、良肢位と言われる、骨盤が前傾すると、胸椎が伸展され、胸椎が伸展すると、肩甲骨の内転が起こります。
肩甲骨が内転されると、腕を上げたとき(万歳の状態)腕と肩甲骨は、2:1の割合で動き、腕を上げることが可能になります(肩甲上腕リズム)。
コアスタビリティ
逆に猫背や円背などで肩甲骨が外側に開いてしまっていると肩甲上腕リズムがうまく働かず、肩周辺の障害や肩凝り・頸の凝りなど様々な痛みの出現リスクが高まっていきます。
当治療院では、単にマッサージで終了するのではなく、問診・身体の動きを評価したうえで、必要な方にはマッサージ・鍼・エクササイズ・ストレッチ・テーピングなど様々な観点からアプローチし、今の痛みを取り、身体の不具合の出現しにくい身体にしていくことを治療プログラムとして考えております。